2月に愛猫永眠

 その日は仕事1件だけだったので愛猫にずっと付き添っていました。抱きしめられたくもない、呼吸が浅い、失禁しながら腕の中で痙攣し、首の力が抜けていきました。そして私を見ていた目の瞳孔が大きく開き、少し緑色のようなくすんだ状態に濁っていきました。

出会いは私が渋谷で好き勝手に仕事したり遊んでいた頃。愛猫はもう1匹のミケと一緒に当時のau携帯箱に雨の中入れられて山下公園で見つかったらしい。

と、いうのも拾ったのは私ではなくお店のスタッフ。「牛乳あげたらいいのかな?どうしたらいいのかな?」とオロオロしていたので私が引き取る!とこたえて知り合いの獣医さん(最近まで右翼だった人)に相談したのね。

それで、1匹の入院が「助かるかは分からないけど」20万かかる、と言われた。1番衰弱していて舌が動かせなくなっていたちょこら(のちの愛猫)を選び、その子だけを入院させた。もう1匹のミケは自宅で暖かく毛布にくるんでもう1匹を両目が開いていない状態でミーミー大きな声で探していた。残念なことに、そのミケが先に亡くなった。

ちょこらは病気しがちで保険に加入し、お薬も頑張って飲んだりして16年くらいかな、一緒に生活していた。とても人間くさい猫だなと思った部分は…「構ってくれない」だとか「トイレ掃除してないよ」など言葉が喋れないからか、必ず嫌がらせのように猫ションをする。でも毎回するんじゃなくて、嫌な気持ちがあるときに猫ションをするから、私は「何が気に入らないのか」を探して苦労した。当時でも私は結婚はしないし子供は作らない、そうやって生きてきた。

実家に猫を連れてしばらくぶりに帰省した時には「子供が生まれて実家に帰省するとこういう気持ちなのかな」と暖かい心が芽生えた。

猫っぽくない所は例えば高いところにジャンプ出来ない。そしてジャンプしたら降りられない。あんこ、生クリームが大好き。マックのポテトも大好き。人間が食べるものはまずのそのそと歩いて近寄って、膝に両足をかけて首を長くのばして匂いをかぐ。人間の食べ物で食べられそうなら頂いてしまう、そんな神経の猫様。

やがて私に結婚相手ができて、子供が生まれて…絶対に噛んだり引っ掻いたりしなかった。子供がいくら意地悪してもやり返さずに耐えていた。そしてうちの子が意地悪しないようになり始めてからは、浅くだけど一緒に眠るようになった。撫でられることも最初こそ怯えていたが、嬉しそうに耳を垂らしていた。


沢山の思い出がとても大切だから、

新しく猫を飼うことはない。

私の一生の半分を一緒に過ごしてくれてありがとう。

もしこの世に転生というものが本当にあるとするならば。捨て猫や保護猫ではなく、最初から苦労をしないお家に生まれ変わってね。

私は良い飼い主じゃなかったかもしれない。

思い返せばあの時こうしていたら、という後悔ばかりが脳裏をよぎる。

ただ、「人を噛まない.噛みたくなったらその手を舐める」&「ご飯を食べる時は人間の手にタッチ」この2つはしつけとして覚えてくれた。最期、私に抱き抱えられている時に苦しい様子で私の指を噛みそうになり、すぐにぺろぺろと舐めてくれた。なんて賢い猫だったのだろう。

別れの辛さが心臓を痛め付ける。

もうこんな思いをしたくない。

あの時のミケも入院費をケチらずに借金してでも入院させていたらまた違った未来があったのだろうか。今となっては何も分からない。

私はまだテレビで犬猫特集の番組やCMを観られずにいる。あの子の代わりは居ないのだから。


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